効果的なコーチングで部下とのコミュニケーションを育もう~今さら聞けないコーチングの基本~

こんにちは、くすりやです。

コーチングという言葉を聞いたことがある方は多いかと思いますが、今回はコーチングについて分かりやすく解説されている書籍をご紹介いたします。

新コーチングが人を活かす 気持ちと能力を高める最新コミュニケーション技術

著者:鈴木 義幸

出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

職場でのコミュニケーション、特に部下の育成でお悩みの方は多いことでしょう。

ひと昔前は、部下育成といえばただ先輩や上司の言うことをきいておけば良かった時代でしたが今はそんなことは通用しません。

コンプライアンス意識の向上や育ちの違い、多様な価値観、年功序列の崩壊など要因を挙げればキリがありません。

中でも新たなアプローチが求められる「イノベーション」の考えが進んでいることが大きな要因です。

従って上司がただ指示を出すだけでは、部下が成長するのには限界があります。

先輩や上司が部下に対して仕事の適切な解を示せない以上

黙ってついてこい!

と言っても、言われた側は困ってしまいますよね・・・

そこで、部下の能力を発揮させるためのコミュニケーションスキルとしてコーチングは非常に重要なスキルとなります。

本書ではコーチングを取り入れたコミュニケーションについて解説されており、コーチングの基本的なことが実践法と合わせて紹介されています。

今回は部下とのコミュニケーション形成に焦点を当てて紹介いたします。

※本記事では便宜上コーチングをする人を”上司”、コーチングを受ける人を”部下”と表現しています。

目次

コーチングとは

コーチングで最も大事なのは”発見をうながす”ことです。

LESSEN1 SKILL1心のシャッターを上げる より

コーチングとは個人やチームが目標達成や成長を促進するための支援プロセスです。

コーチングでは、コーチ(指導者や専門家)がクライアントに対して質問を投げかけ、対話を通じてクライアントが自己認識を高め、目標を明確にし、行動計画を策定する手助けをします。

コーチングを実践することは言い換えれば相手との対話と実践を積み重ね繰り返していくことです。

ここでポイントとなるのが、一方的な指導ではなく一緒に答えを模索することと小さい質問を積み重ねるということです。

良くない例として、練習問題を解かせるように質問することが挙げられます。

それでは上司の中にある答えとの答え合わせになってしまい、ともすれば誘導尋問になってしまうからです。

これでは部下の中に眠る発見を促すことは困難になってしまいます。

それといきなり

さあ、部下の発見を促してあげよう!!

と意気込んでグイグイ入り込もうとしても警戒されてしまいます。

部下との距離感を少しずつ埋めるためにも小さくて必ず答えられる質問をいくつか行い、慣れてから大きい質問へつなげていきます。

また質問を繰り返す中でフィードバックを行い、部下自身に成長を実感させ、次の成長のためのアクションプランを考えることが重要です。

部下とのオープンな信頼関係の構築

探索の伴走者となってくれる人がひとりいるだけで、その人の人生はずっと力強いものになるでしょう。

LESSEN1 SKILL1心のシャッターを上げる より

コーチングを始めるにあたり、第一歩として行うべきは相手の心のシャッターを上げることです。

なぜなら、この人なら安心して相談できる、一緒に考えてくれるといった信頼関係がないと腹の底から話し合うことは難しいからです。

そのためには、日常的にちょっとした一言を大切にする必要があります。

例えば、朝の挨拶や感謝の言葉などの会話のキャッチボールが挙げられます。

誰だって目を合わさずにそっけなく

おはよう

と言われてもいい気はしませんよね。

コーチングでは小さな会話を積み重ねて相手の心のシャッターを上げた状態で発見を促す質問をします。

そして相手からの回答を否定せずにちゃんと受け止めている事を伝え、興味と関心を持って次の質問につなげていきます。

この過程が繰り返されることによって部下は徐々に上司を信頼し、上司と質問を共有し一緒に考えることで発見が促されていきます。

部下の考えを具体化する

人は自分の過去の体験をひとつのチャンク(=かたまり)にして脳の中にストックする傾向があります。

LESSEN1 SKILL3チャンク・ダウン かたまりをほぐす より

部下に対して質問した時、抽象的な答えが返ってくることが多々あります。

仕事に対する理解が十分でなければ言語化することが難しいため、チャンク(かたまり)で表現してしまうからです。

例えば仕事の進捗状況を聞いたときに、

「ちょっとうまくいっていないです」

と部下が返してきても何が問題なのかわかりにくいですよね。

そんな時に

「そんなんじゃわからないよ!なにがダメなの!?」

と詰問したところで根本的な原因を把握するのは困難になってしまいます。

このような抽象的な認識を具体化するためにチャンク・ダウン(かたまりをほぐす)というスキルが有効になります。

上司は

うまくいっていないのは具体的に何が?

A社からの部品の納品が遅れていて・・・

部品の流通が不安定だから遅れているんだね?

もともと取引のあるB社への発注量を増やせないか検討中でして・・・

他社への切り替えを検討しているんだね?

このように質問を繰り返し、かたまりを紐解いていくことで部下の状況把握を素早く行えます。

部下に対して”なぜ”よりも”なに”を使おう

コーチングは、”なぜ”のかわりに”なに”を使うことを提案しています。それは”なに”を使った質問のほうが、内側にあるものの発見に至りやすいからです。

LESSEN1 SKILL5 “なぜ”のかわりに”なに”を使う より

トラブルが起きたとき、上司が部下に対して原因究明のために”なぜ”と繰り返し質問することがあります。

これは逆効果なケースが非常に多いです。

なぜなら、私たちは”なぜ”と聞かれると攻められていると感じてしまい萎縮してしまうからです。

更に強いストレスにより防衛本能が働いて詳細を話してくれなくなってしまう危険性も生じてしまいます。

そのため上司は

なにがトラブルの原因だったんだろう?

システム面でなにかおかしなところはなかった?

と部下に尋ねることで部下は客観的な問題点を説明しやすくなります。

また部下が緊張しすぎたり、考えを整理できず考えを上手くまとめられなかった時は沈黙を活用する手段も有効です。

間が空いてしまうと部下は

何か話さなきゃ気まずい・・・

と焦ってしまいます。

そんな時上司は

ゆっくり考えてください。待っていますので

と伝えてあげましょう(決してイライラせずに!)。

そうすると部下は少しのゆとりが生まれ緊張がほぐせたり、考えを整理することができます。

まとめ

今回は部下育成におけるコーチングの基本的なことを紹介しました。

ポイントとなるのは

尊重

共感

促進

であり、これらを実践することが部下とのコミュニケーションを形成する上での鍵となります。

コーチングは今や企業、スポーツ、医療、学校、そして家庭とさまざまな分野で活用されています。

今回紹介しきれませんでしたが、本書では目標達成に向けた考えや主体的な行動をうながすにはどうしたらいいかといったことが書かれています。

部下とのコミュニケーションにお悩みの方、コーチングをもっと知りたいという方は是非ご一読ください。

今回は以上となります。

それではまた次の記事で!

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