こんにちは、くすりやです。
今回紹介する書籍はビジネスにおいて「シンプルに考える」とはどういうことかを考えさせる1冊になります。
著者は会社にとっていちばん大切なことはシンプルに
ヒット商品をつくり続けること
と強調しています。
ビジネスの前提として、
ヒット商品があるから・・・
「顧客」は喜び
「利益」が生まれ
「社員のやりがい」となり
「ブランド力」も高まる
このような好循環が生まれます。
逆にそれができない会社が淘汰されていくのは自明の理といえるでしょう。
この好循環を回すためのビジネスの本質は
ユーザーが本当に求めているものを提供し続けること
このようにいえますね。
著者:森川 亮
出版社:ダイヤモンド社
著者の森川氏は今は退かれていますが2015年度までLINE株式会社の社長を務められ、LINEを世界的なサービスへ成長させた立役者です。
本書では森川氏が実践されてきた内容がまとめられています。
時にはこれまでの常識を覆すようなエピソードも出てきますので、日々の仕事にお悩みの方におススメの1冊となっています。
シンプルに考えるとは?
仕事をする上でカベに当たったり決断に迷うことは誰にでもあることです。
悩むとは別の視点で見ると
あれも大事、これも大事
このように「集中できずに行動を移すのをためらっている」と言いかえられます。
では、何故悩むのか?
著者の言葉を借りると
「表面的な価値」に惑わされて「本質」が見えていないからです。
ですので何が本質か?ということを考えるには、本質を見極め、大切ではないものを取り除かなければなりません。
これは個人での話になりますが、会社のような組織であれば人材、資金、時間などの限られたリソースを「ユーザーのニーズに応える」という「本質」に全力を集中させると言いかえられます。
ビジネスのシンプルな本質
今の仕事が、5年後、10年後に存在するかどうかさえわからない。僕たちは、そんな時代を生きています。
第1章 ビジネスは「戦い」ではない
冒頭でも述べましたようにビジネスのシンプルな本質は
ユーザーが本当に求めているものを提供し続けること
といえます。
これをもう少し具体化すると、ビジネスをする上で大切なのは
人々が本当に求めているものを感じ取る能力と、それを具体的なものにする技術を磨き上げること。
もしも、人々が求めているものが変化した時はそれをいち早く察知して新しいものを差し出すこと。
このようにいえるでしょう。
しかし、世の中は日々変化しています。
技術革新は数十年前とは比べ物にならない速度で変化していますし、過去の成功モデルが通用しなくなることも珍しくありません。
明日は明日の風が吹く、どころの騒ぎではありませんね。
著者も常にこの不安がついて回ったそうです。
しかし、著者はこの不安を肯定的に捉えています。
なぜなら不安があるからこそ、危機感を抱くことができ、何か変化が生じた際に対応できるよう準備をするからです。
危機感という感覚はサバイバルの観点からとても大事なことだといえます。
例えば、絶対に落としてはいけない資格試験の日程が迫ったら勉強しますよね?
ピンチが迫ると否が応でも本気にならざるをえませんが、そんな時に不安に負けてしまうと動けなくなってしまいます。
逆に不安を味方にしておくといざという時も動きやすくなるでしょう。
そのため、逆説的に漠然とした安心を求める生き方については警鐘を鳴らしています。
例えば、偉い人の言うことに従えば大丈夫、といった考えることを放棄するような生き方はビジネスの本質からズレてしまっていますからね。
栄枯衰退のシンプルな法則
しかし、成功を捨て続けることが、その人の成長につながると僕は考えています。
第3章 「「成功」は捨て続ける
「成功」というのはその人にとって財産といえます。
「成功」した体験が実績になり、自分の自信になり、ともするとアイデンティティにもなり得ます。
ここで気を付けたいのが、その成功体験に囚われないことです。
過去の成功にしがみついてしまうと「守り」に入ってしまいますし、新しいことに挑戦しないどころか、過去の手法に執着してしまいます。
しかし現実問題として、新しい技術・サービスは日々展開され、ユーザーのニーズも変化し続けます。
だからこそ、成功を捨て続け、常に新しいことに価値を生み出すことに挑戦し続けることが重要です。
また、ユーザーのニーズに対応できれば自分の「市場価値」を高めることができ、これこそが成長といえるでしょう。
過去の栄光に固執してしまって淘汰された例は歴史上に散見されますし、ビジネスの興隆でも数多くあります。
周りを見ると「自分はこのやり方で上手くやってきたから大丈夫」と新しいシステムに馴染もうとしない方はいないでしょうか?
システムの仕様変更は必ずしもユーザーのためだけとは限らないでしょうが、少なくとも効率化を目指してという狙いはあるでしょう。
そんな状況で旧体制の手法と新しいシステムが混在しては非効率もいいところです。
人間誰しも成功体験には愛着がありそれを捨てるということは大きな決断が必要になりますが停滞は衰退の始まりともいえます。
そうならないために、過去の成功は捨て続け、新しい価値の創造にエネルギーを注ぐことが大切ですね。
シンプルでなければ「戦略」ではない
経営はわかりやすさが大事ーー。
これは、僕が経営に携わってきて学んだことのひとつです。
第4章 「偉い人」はいらない
あれも大事これも大事と指示がわかりにくいと現場は混乱してしまいます。
チームの力を最大限発揮させるには最も大切なことだけを、シンプルにわかりやすく指示を伝えることです。
あれもこれも全部やると考えるのではなく、どれが本当に必要なのか「絞る」ことが戦略です。
以前働いていた職場では現場スタッフひとりひとりに向かって経営者目線で考えろという指示が出ていましたが、当時私はこのことは疑問に思っていました。
現場責任者が考えるのはまだしも現場スタッフがそのようなことを考えるのはノイズにしかならないからです。
本書ではこの点についてレストラン経営を例にしています。
キッチンで働いているシェフに経営指標や分析結果を伝え、考えさせて料理が冷めてしまっては本末転倒です。
そんなことよりも、「とにかくおいしい料理」をつくってもらうことに専念したほうがいい訳です。
おいしい料理を提供できればユーザーは着いてきますし、そうでなければリピーターにならないだけです。
企業経営に当てはめると経営陣は現場がおいしい料理、すなわちユーザーにいいサービスを提供することだけに集中できるようにメッセージを届けることが大事となります。
そしてそれ以外のことは、すべて余計なことであり現場スタッフに考えさせることではありません。
まとめ
今回は個人的に印象に残ったエピソードを紹介いたしました。
シンプルに考えること
ビジネスの本質
栄枯衰退の本質
戦略の意義
シンプルに考えること、言葉にすると簡単ですがとても奥深いテーマです。
シンプルに考えるために「やらない決意」が必要となりますのでこちらの記事もご参照ください。
著者がメディアの世界で活躍されてきた方なので変化が目まぐるしいインターネットビジネスがどういう状況にあるのかも垣間見れます。
今後ますます変化する世の中でビジネスの本質を忘れないための一冊として非常におススメの本でした。
今回は以上となります。
それではまた次の記事で!
コメント